近年、「目標管理制度」と呼ばれる職場管理手法を取り入れている医療機関が増えています。これは、目標設定・計画・実行・振り返りを繰り返すことで、看護師個人の能力を向上させるほか、チームや病院としての成長にも繋げることを目的とした制度です。
実際に目標管理制度にのっとり、個人目標を設定する際、どのようなことを掲げたらよいか悩む看護師は少なくありません。ここでは看護師の目標の立て方について説明していきます。
「当院に入ったらどんな仕事をやりたいですか」という質問には、採用されたときの具体的なイメージを伝えましょう。
「これまではヘルパーをしていました。貴所ではその経験を生かして介護のスキルを磨き、介護福祉士の資格を取得したいと思っています」のように話すと、前職での経験を伝えながらも向上心をアピールすることができます。
「小児科医であった父に憧れて看護師になりました。こちらでは私の当初の思いを実現するため、小児科病棟を担当したいです」と、自身の看護観や志望動機とからめて希望部署を告げるのもよいでしょう。
一方、「何でもやります」という回答はやる気は伝わりますが、主体性のない印象を与えてしまいます。
設定する目標は小さなことでもかまいません。ただし、具体的な内容にしましょう。例えば、「電話やナースコールは2コール以内にとる」、「仕事で使用する備品の名前と場所を覚える」、「患者さんと自然なコミュニケーションを取れるようにする」などです。自分の苦手なことや先輩から指摘された部分、もっと伸ばしたい部分などから定めていくとよいでしょう。小さな目標を少しずつクリアしていくことで、達成感に繋がります。成功体験を重ねることで、日々の業務に自信をもって望むことができるのです。
所属する病院、または診療科の理念や診療方針を踏まえて目標設定することも大切です。経験が浅い看護師であれば、内科や外科など、所属する診療科の分野に特化した目標を立てるとよいでしょう。勤務経験を積み、先輩看護師として後輩を指導する立場になった際には、より高い目標設定が求められます。後輩の指導に加え、委員会への所属や看護研究への参加など、自分個人だけではなく、組織貢献を意識した目標を設定しましょう。
目標設定は、看護の質を高めるために欠かせません。目標を立てることで、自身の成長に繋がることはもちろん、患者さんや一緒に働くスタッフへの接し方も変ってきます。目標設定の仕方がわからないという場合は、「自分はどう成長したいのか」、「患者さんのために何ができるのか(何をしたいのか)」を考えてみましょう。そうすることで、目標にしたい事柄が浮かんでくるはずです。
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